滝本竜彦『NHKにようこそ!』

NHKにようこそ!
ちょっと前に漫画版1巻が出版されてそれでかな、話題になっていたようなので気になって読んでみました。といっても読んだのたしか7月頃のことだけど…。(なのでこの感想もロクに読み返しもせず書いてます)
主人公はひきこもり。べくは現在ライフスタイルとしてひきこもりではないものの、主に彼の独白を読んでいくうちにとても痛々しい気分になってしまいました。たぶん自分は精神的にひきこもりに近い部分にいるんじゃないかと…。こんな事いうと「弱者ぶってんじゃねえ」と怒られそうですが。
そういうわけで、そういうメンタリティを持って無い人には向かない、とても薦められない本だと思われるんですが、人それぞれ程度の差こそあれど、どうにもならない葛藤を抱えて悶々とすることはあるはずなので、読んでみて主人公の気持ちが「全く」理解できないって事は無いんではないかと。(……そう思いたい)ああ、でも登場人物たちがけっこうヘビーなとこまでいっちゃってる分、平凡に悶々とする人間にはかえって厳しく跳ね返ってくるのかもなぁ。
「トントンのぼっていきたいのにな!!」日記的には、堂々巡りを繰り返しつつもキャラにも環境にも少しずつ変化が起こっていく、その流れから目が離せませんでした。終わりを迎えても大きな変化には至ってないんですが…それでも。最後はその(残酷であり)まったりした流れなりの、きれいなオチがついていて気持ちよかった気がします。