パオロ・マッツァリーノ『反社会学講座』

反社会学講座
けっこうちびちび読んでいたこの本。面白かったです。社会学者達の弁につっこみを入れまくってます。で、著者もHPで語ってるように(http://mazzan.at.infoseek.co.jp/goiken3.html)つっこむ事を気づかせてくれる本です。構成として各章で、巷に広まって正論になろうとしている説に著者が様々なデータからつっこみまくった後、最後にまとめがあるのですが、それがまたゲームのボスキャラとかがわかりやすい箇所を弱点にしてるような感じで、導き出した結論にもわざわざつっこみどころをさらけ出して「さぁつっこみなさい!」と笑顔で語りかけてきてるようなのが楽しい。「つっこみトレーニングドリル」としても良いと思います。
もちろん著者がデタラメばかり言っているわけでは全然なく、意外な現実の姿を示されて納得する事も多いです。というかそうやって暴き立てる方がメインなんですが*1。フリーターや自立に関して扱った章では、個人的に『NHKにようこそ!』の読後で微妙に沈んでいた気持ちがちょっと救われたり(笑)。
おすすめです。

*1:ちょっと笑い取りに走りすぎて逸れてるところもあったりするけど