荒木飛呂彦『スティール・ボール・ラン』#13 2nd.STAGEスタート
「中断は論外」というスティール氏の言葉をうけ、マウンテン・ティムに犯人追跡を依頼するという保安官。しかしこの保安官、何考えてんだかわからない目つきでいい味出してますね。腹出てんのに。そして静かに、しかしキザに登場するマウンテン・ティム。どうやら意外と重要な役回りが与えられる模様？だって馬が頭たれてるの含めたら登場に3ページ使ってるよ！3ページ！ディオがジョースター邸に降り立つのだって2ページだったのに！これも毎週31P連載の「凄み」ってことですかね。イケメンカウボーイということでシーザーみたいなもんかと思いましたが、イタリア男よりは奥ゆかしい模様（笑）。スティール氏夫人に花を捧げるにとどまっています。保安官は彼を人格者だと大絶賛。そうなるとどっか性格ブッ壊れたところを期待したいとこですが、荒木先生意外とこういう普通にかっこいいカウボーイ描きたくなったのかも？殺人に対しても本気で怒りを感じてるようですし。
そして後付け設定ですがきました隕石！5部ではグリーン・ランドのケープヨークでの事が語られていましたが、アリゾナの砂漠にもソレは落ちていた模様です。スタンド能力を引き出す「ウイルス」を含んだ隕石…！2nd.STAGEの舞台アリゾナはサンドマンの地元でもあるとの事で、彼もそこへ行って例のスタンド？を手に入れたんでしょうね。まだ具体的な能力がわかりませんが。
足跡を分析して犯人像を割り出すティム。乗馬で追跡という構図は先日ついに単行本掲載されたデビュー作『アウトロー・マン』を思わせる展開でニヤリ！スティール氏の生い立ちが『変人偏屈伝』の興行師っぽかったりと、これまでのエッセンスが惜しみなく投入されてますね。また、ティムは投げ縄の達人である事も判明。瓶の中のボタンを取り出すとかあり得ない技をさりげなくやってしまう辺りがモテる秘訣なんでしょうかイケメン。しかし引っ掛けたボタンを手にとろうとするポーズかっこいいな素直に。ジーンズのボタンが瓶に入っていた謎は無事解かれるのでしょうか。
場面変わって翌日のスタート直前。1200kmはハードそうですね…。馬上で今回より始まる賭けの人気について話すジャイロとジョニィ。一番人気はサンドマン。ホームグラウンドで岩場での例の「矢で射られそうになったのに瞬間的に別の場所へ移動した」能力が発揮されるのでしょうか。ジョニィは6位、ジャイロは9位。自分が一番人気じゃない事がちょっと不満な様子のジャイロ、「世間の一般ピーポーは見る目ない」言っておいて「どうでもいいけど〜〜」かわいいなあこの素直なひねくれ方！さらにジョニィが真面目にマウンテン・ティムの実力を評してるのに「変な帽子」の一点張り（笑）。ジョニィがかわいそうだ！とりあえず人気あるやつが気に食わないのか？ジャイロ。それでも真面目に水場の重要性について語るジョニィ。初期（レース前）と立場が変わってきてるような…*1。騎馬隊が砂漠で全滅のエピソードで思い出しましたが、このステージ、もしかしてキャラバン・サライ*2の活躍があったりして…。「太陽」の能力で脅威になるのもいいですが、例の殺人者とかぶってしまうので、きっと「自分と馬の周りだけは快適で涼しい能力」とかに違いない。妄想ついでに言うだけ言っておくと、もしかしたら何かのきっかけでインディアン*3と戦闘になることもあるのかなぁ（ルートマップを見て思いました）。殺人者を倒して「やれやれだぜ」って時に囲まれて大ピンチとか。
いよいよスタート。さすがに列車や気球の追尾も続かないそうで「敵」にとっても都合がいい。で、いきなり飛び出すジャイロ。マラソン大会で「一緒に走ろう」と言って先に行く子供か！激走を俯瞰したコマ/の「ドゴォーッ」という描き文字が笑いを誘います。頭を抱えるジョニィの気持ちもワカル！さらに水場を無視するコースへの転換。「定石と逆の事をする」のが荒木キャラの定石とはいえ、さすがにジョニィもキレました（笑）お前さっきの話聞いてたのかと。顔が怖いです。なんかこの二人の関係が『ピューと吹く！ジャガー』のジャガーさんとピヨ彦のように見えてきましたよ。ジャイロはサンドマンの脅威を気にしている様子。でも水はどうするんでしょう？鉄球でボーリングして地下水でも掘り当てるのかな？
コースを外れたジャイロ達を追う姿…殺人現場に蹄鉄の欠けた足跡を残した馬！選手の名はミセス・ロビンスン！1st.STAGEでは18位。キャラバン・サライと同じメキシコ国籍です*4。どうやらブンブーン三兄弟ではなく彼が怪しい？名前からして女かと思ってましたが男なんですね。引き出しに入れておくとお洋服を虫から守ってくれそうな名前。*5っつーかこの間来日したKISSのメンバーですか？というような北斗の拳に出てきそうなメイクの人ですけれども。なかなか凶悪そうなキャラですね。果たして何をやらかしてくれるのか、ティムは彼を追跡するのか、そもそも犯人は彼ではないのか…楽しみです。結局いつも楽しみです。ハッタリとお約束と読めない展開と。毎号31Pがとても贅沢な楽しみのような木がしてきました。
