宇仁田ゆみ『トリバコハウス』原画展@まんがの森本店

入口入ってすぐのところに壁やパーティションを使っての展示がありました。具体的な内容は以下の通り

  • 計9ページ分の完成原稿とその下絵

『トリバコハウス』1巻のP68,70,74,131,139,161,189,202,212、計9ページ。下絵というのが、鉛筆によるラフだけのものもあり、それを青色に複写してペン入れ原稿にフィルムのように被せたものもあり*1。デジタル入稿という事ですが、デジタルになる前の段階を見せようとしてくれてるので普通に手書きの完成原稿を見る満足度に遜色無かったと思います。

  • 4色イラスト(P4「カメラ目線」)制作過程

鉛筆のラフ、ペン入れ後、あとはスキャン後のレイヤー4枚くらいの画像。4枚→色調変えた主線、髪と服のレイヤー、肌のレイヤー、それに瞳のハイライト(白なので背景色着き)。

  • モノクロイラスト(P29・2話扉絵)制作過程

展示方法は大体4色イラストと同じ。白い輪郭線のレイヤーが4色のハイライトと同じように背景色あり。

  • P122,1コマめ(ダイキの部屋)制作過程

CADで作った部屋の3D画像(「アシスタントさんなんかが作る」と書いてあった)、その3D像をもとに描いたまんが絵、背景にあわせて描き入れた人物、それに(PC上で)トーンを貼る…という4枚の図。

  • 表紙イラスト制作過程

まず鳥かごを持っている手の位置が違うラフ案がいくつかあって、それから決定したもののペン入れ絵(鳥かごは無し)。それをスキャンしてからなんとか言うソフトで線をパスに変換した図、さらにそこからイラストレーターでパスを整えた図(ともに顔のアップ)。ここの2つの差が細かくて違いが少ししか分かりませんでしたが…。最後に別で作った鳥かごを入れて完成、という流れ。自作の服のパターン(☆や花柄)も表示してありました。
イラスト制作過程はまぁ、デジタルと聞いてイメージしてた通りなんですが、それでも「こう作ってるんだ」と目で確認出来るだけでも、今後絵を見る目も変わってくるわけで。良いと思いました。…というか実際目にして、デジタルといっても丁寧な仕事が要求されるのは一緒なんだなぁと感心しましたまことに失礼ながら。素人的に。
展示の傍にサイン本が平積みされてたのと共に、ウニタさんが好きだという小田扉の漫画も平積みされていて気になったものの、結局買わず。*2
とまぁこんな展示でした。近郊のファンなら観に行って損はない、という感じでしょうか。24日(土)までです。

*1:あれ、逆だったかな。ペン入れしたのを被せてあるのか

*2:他にインタビュー掲載の「月刊まんがの森」や宇仁田ゆみフェアのPOPなども揃ってます