荒木飛呂彦『スティール・ボール・ラン』#3 サンディエゴビーチ 1890年9月23日 スタート2日前 その3

センターカラー表紙。ウエスタン対応な配色と、ジャイロ&ジョニーの対照的な眼光がかっこいいです。ジャイロはこの何考えてんだか分からない眼が自分的にツボ。
ジョニーは元ジョッキーだったのか。先週のポコロコといい、SBRレースで馬っていうのは最重要ファクターなんだなということが分かります。肝心の「馬自体」については、キャラクター描写はしないのかな?黒王号とか松風みたいな馬がホイホイ出て来ても困るけどさ(笑)。
現在の身体を折り畳んで車椅子に座っている姿に比べ、自信に満ち溢れている16のジョニー。ささいな事(と傲慢さ)から転落の道を歩むのは、ギャングストーリーの5部を思い起こさせるようでもある(あと散々触れられてそうだけど井上雄彦『リアル』)。父親も見舞いに来ないということは、このジョースター家には必ずしも「ジョジョ」の血統が伝わってるわけではないってことで、やっぱり荒木先生の言う通り相当なパラレルワールドという事で、まずは深く考えすぎずに楽しむのが良さそう。
そしてジャイロにひきつけられ、レースへの参加を決意するジョニー。う〜ん、まさにぐいぐいと「引力」を感じさせる荒木展開でわくわくする。あっさり仲間になったりせずに、ジャイロが「馬にも乗れねぇくせに」なんて憎まれ口叩いて去るのがイイ感じです。しかしこれまで3話読んでジャイロが全く主人公っぽくないんだけど(笑)。連載開始して以来こんなに背中ばかり印象づける主人公も珍しいと思うぞ!*1むしろ物語の渦の中心にいるみたいな感じだよな〜。4部での吉良みたいな。未だ少しでも関わったのはジョニーと砂男だけだけど、これから他の参加者との接点が増えるにつれ、渦がいろんな変化を見せてくれそう。早くレースがみたい反面、もうしばらく丁寧に描かれるプロローグを読みたい気もします。
今回の名台詞

  • ジャイロ「死因のトップは何か知ってるか?」「蚊が媒介する伝染病が1位で馬に蹴られて死ぬやつがその次だ」「おまえさんがその順位を入れかえるつもりか?」
  • ジャイロ「けなす事言って落ち込ませる前に誉めといてやる」

*1:いやしかし西部劇には「立ち去る男の背中」コレですな!